「日の当たる町で」は、穏やかな海を前にふっとよぎる“もう戻らない記憶”を描いた失恋ソング。思い出にすがるでもなく、劇的な別れを振り返るでもなく、時間の流れに合わせて少しずつ薄れていく感情を、そのままの温度で歌い上げている。
歌詞に繰り返し登場する〈毎秒、ズレだしている〉〈毎秒、忘れだしている〉というフレーズは、愛がゆっくり形を変えていく過程を淡々と記録するようで、まるで海の満ち引きのように静かで痛い。蒼く穏やかな海は、かつて二人をつないでいた景色でありながら、いまはその記憶さえも洗い流していく存在として描かれる。
“続いていたら良かったなんてこともないしね” と語る達観と、“それでも愛していたよ” という正直さ。その微妙な狭間を行き来する心の揺れが、Qooneluらしい日常の言葉で丁寧に紡がれていく。最後にそっと置かれた〈もう思い出さないよ〉の一行は、強がりにも、本当の解放にも聞こえる。
何かを失ったあとに訪れる静かな余白。その余白に、やさしい光が差し込むような余韻を残す一曲。
- 日の当たる町で
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Qoonelu
Qoonelu(クウネル)は「食って、寝て、生きる音を響かせる」を合言葉に、日常と感情をカラフルに拡張する東京拠点のギター・ロックバンド。2023年10月結成。
メンバー
アルガシュンスケ(Gt & Vo) 23歳|
シノツカハヤト(Ba) 23歳|
アルガフウマ(Gt) 21歳|
フクイケキョウコ(Dr) 21歳|















