
TZ’s 半年振りにリリースされた作品、Maybe Baby。今回で5曲目のリリースになる。コンスタントに作品を発表し続け、拠点所沢は勿論、地方へもライブツアーに出るなど精力的な活動が実を結び、人気、知名度ともじわじわ盛り上がりを見せている。
今回のMaybe Babyは作詞:伊賀武氏、作曲:関雅樹。アコースティックユニットとして結成された基本に立ち返るような、アコースティックギターによるコードカッティングをボトムに据えた作品だ。冒頭この「アコギ」が1965年前後のビートルズのような匂いを発している。A HARD DAY’S NIGHTやHELPの頃のアレだ。
少し青臭くエネルギッシュなボトムに、良い具合に枯れたボーカルとスワンピーなギターのリフが泥臭さを漂わせるそんな楽曲に仕上がっている。宮沢賢治の雨ニモマケズを思い起こさせる
「そんな人に私はなりたい」。その言葉への帰結にいたるまでの隠喩的な歌詞に、分断を生む今の社会に対する思いが込められているようだ。音楽に限らずアートは社会にコミットし続けなければならない、そんな事を思わせてくれる一面も持った作品。
伊東昌喜
- Maybe Baby
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TZ’s
⾧年音楽業界でギタリスト、アレンジャー、プロデューサーとして活動してきた伊賀と関が、2023年に満を持して結成したアコースティックギターユニット。地元所沢を中心にライブ活動をする他、2024 年からは「Taxi」「ロンリーチャップリン」の大ヒットでお馴染みの、鈴木聖美さんのアコースティックバージョン「鈴木聖美 with TZ’s」としても日本全国でコンサートを行っている。