福岡発ピアノロックバンド、the private theaterの1st EPとなる今作は、「プロローグ」と名付けられた5曲入りの音楽作品である。浮遊感のあるドラマチックなトラックと共に切実な生きづらさを語る「水槽」に始まり、絡み合う旋律の中で神秘的な独白が展開する「海になれたら」、情熱的なビートに乗せて恋愛のすれ違いを赤裸々に描いた「深紅」、希望と絶望が入り混じる退廃的な世界観が印象的な「幻にしないで」と続き、恋の終わりを独特のダイナミクスで鮮烈に表現する「涼風とためらい」で締め括られる。1st Single「ラストシーン」で見せた、鬱屈とした情感はそのままに、様々な方途でその世界を再構築したような印象を与える。ピアノロックの新しい可能性を探りながら、現代の若者の繊細な心に寄り添うリリックやアレンジ、サウンドメイキングが、the private theaterの秘める可能性や、そのしなやかさと瑞々しさを素直に伝えているという点において、本作はまさに彼らにとっての「プロローグ」と言うべき作品となっている。
- 水槽
- 海になれたら
- 深紅
- 幻にしないで
- 涼風とためらい
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the private theater
福岡発、4ピースピアノロックバンド。
Gt.Vo.片野坂の独白を中心とした叙情的なリリックを、Key.とびーの瑞々しいピアノのサウンドが彩る。ロックバンドとしての熱量が伝わる衝動的なライブパフォーマンスも特徴である。